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「ほら、貴方の順番ですよ」
そう言う声が響くと同時に、
視界がぐらりと回り、気付けば足元に御堂が居た。
呆然と立ちすくむ自分の前で、全裸で横たわっている御堂が、
こちらを、見た。
白濁にまみれた顔で空ろに克哉を見上げる。
「・・・さえき?」
小さく、呟く声に胸が締め付けられた。
「御堂さん・・・」
名を呼び返す。

毎日毎日飽きるほどに御堂の名を呼んだが、
一度もその返事が返ることはなかった。
瞳が自分を見ることもなかった。

ずっと、こうして名を呼ばれたかったのだと、気付いた。



「さえき・・・」
御堂が、右手を伸ばした。

濁った瞳は、淫猥に濡れている。
唇にはまだ、前の男の白濁がこびりついたまま。
頬はかすかに上気している。
赤い舌が、ちろりとのぞいた。
「だいて、くれ・・・」
小さく、小さく、声が聞こえた。
克哉は目を見開いた。
「御堂・・・さん?」
「だい、て・・・くれないか」

そう、請われるがまま、御堂へと手を伸ばした。
右手に、左手が重なる。
ぐい、と引き起こすと、存外あっさりと御堂の身体は克哉の中へとおちた。






御堂を、そっとベッドへと運ぶ。
シーツで、体中に残る白濁をふいてやった。
御堂の目は虚ろなまま、こちらを見ている。
身体は、やつれてひどく頼りなくみえた。
髪をすいてやると、その手の動きを眼が追った。
自分の動きに反応する御堂がいとおしくていとおしくて堪らない。
「御堂さん・・・」
また名を呼んで、そうして柔らかく口づけた。
はじめは唇と唇。
それから舌を差し入れる。
思いのほか積極的に舌が絡んできた。
舌と舌を絡ませあいながら、御堂の身体を優しくまさぐる。
陶磁のように滑らかな肌を、手のひらで堪能する。
敏感な身体の内側に、すう、と人差し指を這わせれば御堂の身体がぴくりと震えた。
唇を離すと、つやつやと唾液に濡れた唇が、吐息を漏らした。
「さえき・・・」
促される言葉のままに、ナカへと手を差し込んだ。
「んんっ・・・」
身体が跳ねる。
前も起ち上がりはじめている。
悦びを隠そうともしないその姿に、克哉の欲もどうしようもなく煽られた。
「入れて・・・欲しい・・・」
そう言われてしまえば、あっさりと欲望のたがが外れた。
ジャケットを脱ぎ捨てる克哉の遠く後ろで、Mr.Rがほくそ笑んだ。











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